「ほぼ S.S.T.BAND」と「ほぼ矩形波倶楽部」

S.S.T.BAND」と「矩形波倶楽部」、往年のゲーム音楽ファンであれば名前くらいは知っているであろう、国内のゲーム音楽ブームの第一次最盛期を支えたバンド名。そのオリジナルメンバー(全員ではない)が集まって、ここ 10 年ほど活動をしているのはご存知だろうか。1990 年頃に開催されたライブには足を運べなかった自分はその後悔の念を胸に、再結成後のライブに何度か足を運んでいた。その思い出をここに記しておくものである。

再結成と言っても、「S.S.T.BAND」の並木晃一さんは「Blind Spot」、「矩形波倶楽部」の古川もとあきさんは「HEARTY MUSIC CLUB BAND」というバンド名をつけている。当時と違ってセガコナミの社員として活動するわけではないので、通称?として「ほぼ」が頭に付いている(ようだ)。「Blind Spot」は 10 年前の 2011 から活動して、今年(2021)に活動を停止した。「HEARTY MUSIC CLUB BAND」は 2018 年から活動中。詳しくは Wikipedia でも見てください。

素人目から見た「Blind Spot」の特徴は「とにかくお前らこれが聞きたいんだろ?」という熱意と物量で「アフターバーナー」「アウトラン」「スペースハリアー」などのセガ曲をぶつけてくるところ。オリジナル曲もあったりするけど、要するに「最初期のゲーム音楽バンドブームからゲーム音楽を聞き続けているセガ大好きっ子たち」をターゲットに、当時のライブの再現をしよう、とするバンドであった。

対して「HEARTY MUSIC CLUB BAND」は、結成当時のライブではコナミ曲が多かったが、先日のライブではコナミ曲は実に控えめで、インディーズゲーム中心なセットリストになっていた。まさに現在と今後の古川もとあきさんを支えるための演奏であった。これは恐らく先日のクラウドファンディングを支えた人たちへの配慮もあったのだろうたぶん。

結成当時は両バンドに対する印象は同じだったけど、今年になって方向性の違いが見えてきたのが興味深い出来事だった。なお今年のライブの集客については、話題性の点から「Blind Spot」は満員御礼だったが、「HEARTY MUSIC CLUB BAND」はほどほどのように見えた。後者はチケット代の高さもある程度響いたのではないかと個人的に思っている。

残念ながら「Blind Spot」は活動を停止してしまったが、もしまた活動することがあったらまた聴きに行きたいと思っています。なんかもっと書こうと思ってたけど言いたいのはそれだけです。