十三機兵防衛圏

話題のゲームをクリアしましたので感想を書いておきます。お気に入りは南奈津乃さんです。以下ネタバレ全開要注意!!

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結論:日本人ならプレイしろ!!

いきなり結論を書いてしまったが、このゲームの内容を心から理解できるのは、日本生まれの日本育ちだけだと思う。日本の古くからのサブカルチャーである、特撮(怪獣)、SF小説、アニメ、ゲームのオマージュが盛り沢山。製作者があえて日本人に向けたゲームとしか思えない。加えて、このゲームには、外国人が一切出てこない。洋画ネタは出てくるがあくまでもオマージュだ。2188年以前に、戦争かなんかで日本人以外は全滅したとかそういう設定なのかな?(ナノマシン戦争とかそんなの?)なんせ人類滅亡寸前の15人に外国人が一人もいないってのは不自然なので、敢えて廃したとしか思えないしね。

本作は要するに我らがヴァニラウェア製の豪華映像キャラモーション付きライトノベルタワーディフェンスのゲームだ。ストーリー進行に分岐はなく、選択肢もないので、アドベンチャーゲームというわけでもない。「街」「428」のようなバッドエンドや、各キャラ同士がお互いに密接に進行に絡むわけでもない(最終戦まで面識すらないキャラ同士も居るかな?)ため、本編は劇場アニメクオリティの動画で進行するライトノベルだ。タワーディフェンス部分も本編を補うもので、すごくやり込み要素があるものでも(普通に進める上では)ない。なので、ゲームシステム的には真新しいものはないけど、製作者の狂気により、「そんなこと誰もやらんだろう」という怨念すら感じる細部にわたる作り込みにより、ゲームシステムなんてどうでもいい、と思ってしまうところがとにかく素晴らしいのだ。もちろんシステムが悪くても良いなんてことはなく、ヴァニラウェアならではのヌルヌルしたUIと操作性の快適さがあっての上だが、それを感じさせないのが素晴らしいのだ、と言いたい。

終盤まで何が起こってるかがわからないメインストーリーは、敢えて言えばよくある王道のSFなので、恐らくこういったSF作品を嗜んでいる人の中には、途中で真相に気づく人もいるだろう。自分の場合は、タイムスリップはしていない、操縦者はコクピットから出ていない、というところまでは想像できたが、2188年とそれ以降の年代(テラフォーミング期)の関係が想像できなかった。というかクローン人間はちょっと反則じゃないかなあと思っている。ただ、AIとクローンと生身の設定をうまく組み合わせているので、よくこんな話を思いつくなあと思ったし、最終的に、ぜんぶ辻褄が合っている!!!すげえ!!という体験ができただけで、元値は十分に取れた。閉鎖空間的な設定としては「Ever17」とか「スーパーダンガンロンパ2」とかを連想したけど、それらを軽々と超えた感じもする。

話的に全部ケリが付いて、ここを守りきれば勝ちだ!!というクライマックスの流れから最終戦のBGMのアツさと言ったら!!最後の最後にOPの歌が入ったところでもう半泣きで!!こんなのカッコ良すぎるだろ!!俺は絶対負けないからな!!!って思ったもんね。ここはゲーム史に残る名演出&名曲になったと思う。崎元さん(だよね?)もやってくれたなー。なおプレイ時の難易度はカジュアルで、負けるのが難しいレベルだったことをここに記す。

キャラについて。声優さんが全員上手く、ヴァニラウェアの技術力と併せて、現時点で最高の2D映像になっていた。特にうえだゆうじさんの和泉と柴としっぽの演じ分けは、本当に本当にお見事だった。柴に至っては、中盤の不穏さの醸し出しで観客側を騙しつつ、ラストの搭乗前の励ましの親友としての頼もしさ。なんたってときメモの好雄だもんね、そりゃーイイ奴だよなあと納得。そこに至るまでの過程では和泉はだいぶひどい奴だったが…

それにしても今回の事件の発端はキツイ。2188年の人類最後の15人になったのに、どうでもいいことで小競り合いをしてるんだから、天才達のやることは違うなあと思ったね。東雲先輩もヤバいがとにかく関ヶ原がヤバすぎる。人類の存亡がかかってたのに殺しの依頼とか厨二すぎるだろ!!お前は地球に帰れや!!そんな中での癒しは南さんと三浦さんの安定感でしたね。チクショーお幸せに!!

最初に戻ると、これらの構成要素を最大限に感受できるのは日本人であり、プレイしないのは本当に本当にもったいないので、ゲームが少しでも好きな人たちへの布教活動を今後も続ける所存です。製作に関わった方々に最大限の感謝を!!